昨日は日本工業大学・工業技術博物館を訪問しました。到着してすぐに蒸気機関車の稼動実演の洗礼を浴びました。
英国タブス社製2109号
この機関車は英国以外のドイツや米国でも製造されて、日本にも多数が輸入されました。ちなみに、プレートの「2019」は2100形の10番目の機材であることを示しています。長らく働き続けたあげく廃棄処分されるところを大井川鉄道が身元引受人となり稼動・展示されていたものです。
お目当ての工業技術博物館は工作機械の名機を一堂に集めたもので、往年のPratt&Whitney、SIP、Cincinati、Keaney&Treckerなどがずらりと並び、我が国産は池貝、大隈、新潟、日立、牧野などが対峙するという、まったくもって目もくらむような空間です。不肖、工作機械産業の研究者である私(トミー・リー・フジタPh.D)は丁重なご対応を頂きました。
それは、歴史的に貴重な機材の保存に鋭意努めるものの限界があるため、現在はオリジナルとなった物とそれを国産化した物を並列展示することを主眼としているとのことでした。ようするに
Pratt&Whitney 池貝鉄工所
あるいは、VDFと池貝D20というわけです。
そして、当博物館では歴史的価値のある工作機械の顕彰を行っていて、第12回(2010年)のベストテクニカル賞は浜松の日進機械製作所の心なし研削盤が受賞しています。
日進機械製作所Hi-GRIND2形
これはまったくもって名誉なことです。
しかし、オリジナルと国産を並べるというのはこういうことかな
右側は我が愛器、東海楽器製「LOVE ROCK」であります
まぁ それはともかくとして、工作機械というものはMOTHER MACHINEといわれるとおり、一国の工業力を規定する重要な存在です。1980年代初めから数年前まで世界の頂点を堅持して、今も奮闘努力をしている実態を多くの人に知ってもらいたいものです。そして、このような素晴らしい博物館を運営・維持されている同学には心から敬意を表します。
参考文献
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009815397-00